「なあなあ!柊馬!」

い、椅子が倒れる!

後ろから俺の椅子を勢いよく揺らしているのは大輝だ。

なぜこんなにも1限目から元気なのだろうか。

まあこんなこと毎日のことなのだが……

とにかく授業に集中できない。

そして先生にあてられて発表するのも俺。

怒られるのも毎回俺なのだ。

発表を終え席に着くと、前の席の昂が少し振り向きこちらを見た。

優しい言葉をかけてくれると信じたかった。

しかし昂は、お気の毒にという顔をして再び前を向いた。

はあ……

まあこれもいつものこと。

しかし、いつにも増して大輝はテンションが高い。

なぜかというと、今日は午前授業で午後は終業式。

つまり明日から夏休みなのだ。

さらに部活もない、というわけだ。