ドキン、ドキン…と、耳の奥から心臓の音が聞こえだす。

どうして…と言うよりも驚きと嬉しさが湧き出してきて、キュン…と胸の奥が狭まるのを感じた。



「私…」


ドクターに好きだと言われた。
何もしてないのに、そういう所が好きだと言っていた。



「私の…そういう所って……」


ただ正直に、自分の気持ちを言っていただけの様な。
例えば何処に住んでいても、私は私だ、と思って欲しいと訴えただけだったのに__



「何だろう、もう……」



訳が分からないけれど涙が出てくる。

一粒溢れると、また一つ腿の上に落ちていく……。



その涙の意味が分からないまま、翌日の休日を過ごした。

ドクターは午前中何も言って来ず、お昼休みに入った頃になり、思い出したかの様な言葉を送ってきた。


『昨夜はご馳走様。あの後、部屋に帰ってソッコー寝たよ』


犬がお銚子を持ち、「ヘベレケ〜♪」と酔っ払うスタンプが送られてくる。



「プフッ!」


それを見ながら吹き出し、あのキスもやはり酔っていたからしたのかな…と考えていた。