「それで、矢神さんの子供は!?」
焦るように運転席側に身を乗り出した。
高速を降り始めた彼は、それを今から確かめに行こうと話す。
「国立病院の循環器科に受け入れを頼んだから今そこで治療を受けているよ」
紹介した手前もあり不安だったらしい。
泣き崩れる程、心労を抱え込んだ矢神さんも気になると言った。
「離婚してからの彼女は必死だったからね。自分一人で娘を立派に育てるんだ、といつも話してたから」
養育費にも頼らず、本当に頑張っていたらしい。
何も知らなかった私は、急に恥ずかしくなってしまった。
「先生…」
つまらない嫉妬で言わなくてもいいことを言いました…と言わなくてはいけないのに、思うように声が出なくて口籠る。
悔しそうに下唇を噛んだら信号で止まった彼が何?と振り向いた。
目線が合うと胸が鳴る。
たった数日間の付き合いしかない彼のことで頭がいっぱいになっていく。
ドキンドキン…と大きくなる胸の音を感じ、いえ…と顔を背けた。
今更、お見合いを受けるつもりもないとは話せない。
それを言ってしまえば、都合がいいようにも感じる……。
焦るように運転席側に身を乗り出した。
高速を降り始めた彼は、それを今から確かめに行こうと話す。
「国立病院の循環器科に受け入れを頼んだから今そこで治療を受けているよ」
紹介した手前もあり不安だったらしい。
泣き崩れる程、心労を抱え込んだ矢神さんも気になると言った。
「離婚してからの彼女は必死だったからね。自分一人で娘を立派に育てるんだ、といつも話してたから」
養育費にも頼らず、本当に頑張っていたらしい。
何も知らなかった私は、急に恥ずかしくなってしまった。
「先生…」
つまらない嫉妬で言わなくてもいいことを言いました…と言わなくてはいけないのに、思うように声が出なくて口籠る。
悔しそうに下唇を噛んだら信号で止まった彼が何?と振り向いた。
目線が合うと胸が鳴る。
たった数日間の付き合いしかない彼のことで頭がいっぱいになっていく。
ドキンドキン…と大きくなる胸の音を感じ、いえ…と顔を背けた。
今更、お見合いを受けるつもりもないとは話せない。
それを言ってしまえば、都合がいいようにも感じる……。

