翌朝、医務室で大きな溜息を吐いた。
昨日は慌てて『また明日』とラインを送ったが、今日は土曜日でドクターは休みだ。

六連休の後は火曜日まで三連休。その間、急変する患者がいれば、当然呼び出しはされるのだが……。


(どうりで昨日、少し間が空いた訳よね)


教えてくれたら良かったのに…とボヤき、バイタル測定の準備を始める。

今日はドクターと会えないのか…と思いつつ肩を落として病棟へ向かうと、患者や職員達に囲まれて楽しそうに談笑している城島ドクターの姿があり。



(えっ、何故!?)


一瞬、自分がまた明日と言ったから?と思ったが、きちんと白衣を着ているところを見ると、どうにも違うみたいな雰囲気。

何か仕事があったのだろうかと不思議に思いながら測定を始め、合間合間に視線を彼に向けてみた。


彼が振り向いたら声をかけようかと思っていたが、全く振り向こうともせずに皆と話し続けている。



(何よ。あの態度)


若い女性職員達は話す相手が城島ドクターだからかキャッキャッと嬉しそうに燥いでいる。

私語を慎んで仕事すれば!?と思いながらも敢えて知らん顔をして去った。