溜息を吐いて背中を丸める犬のスタンプ付き。
ドクターも犬好きなのかな…と思い、嬉しくなりながら返事を打った。


『お疲れ様でした。今日は実家でのんびりしていました』


いらない釣書も預けられました、とは言えず、何となく後ろめたい気持ちを感じる。
それを隠すように、愛犬達と遊びました…と写メを送ると『楽しそう』と返事が戻った。


『楽しかったですよ』


愛犬と遊ぶのは確かに楽しかった。でも、心は昨日みたいに弾まなかったし、ときめきもなかった。


『いいな。俺も一緒に休めれば良かったのに』


私からすれば六連休も貰えるドクターは羨ましい限りなのにそう言う。
甘いこと言ってるなぁ…と画面を見て呟いたら、流れてきた言葉にドキッとした。


『そしたら昨日のリベンジが果たせたのに』


リベンジという文字に目が釘付けになる。
立ち止まってディスプレーを見つめ、どういう意味かが分かると不用意にも胸が鳴った。



『凛さん?』


私が既読のまま何も返さずにいたからだろうか、ドクターはまるでその場に居るかのように名前を呼んだ。