ロング・バケーション

ドクターをセンセと呼ぶ一咲の文字を見つめ、『多分ダウンしてると思うから何も送ってない』と文字を打ち返した。


『凛ちゃん何やってんの!』


怒りのマークと共に怒濤の如く『早く心配してると送りなさい!』と言ってくる。


『え~』


『え~じゃないよ!私とラインしてないでセンセとして!』


その文字を最後に既読ムシされた。
『一咲~』と頼ってみたが彼女の言う通り、文字を送る相手はドクターだ。


私はバツが悪くて一咲に報告も兼ねて話を振ってみただけで、本当はレストランを出た後から激しく後悔をしていたのだ。




『具合……いかがですか?』


迷った挙げ句文字を打ち、それを躊躇いながら送ってみた。

ドクターとはドッグカフェに入る前に連絡先を交換していて、いつでもいいから文字を送ってきて欲しい…と願われていた。


初めて出来た彼氏に送った文字がこれか…と眺め、返事こないなぁ…と思いながら溜息を吐いた。


「まあ無理もないか。酔ってるのに置いて帰っちゃったんだし」


早速フラれたかなぁ…と少し落ち込みかけていたら、ブブブ…とバイブが働いた。