そんな中で老健の内科医を担当するとドクターを紹介され、初めて二人でデートした日があった__。


何もかもが色鮮やかに思い出され、全てがチャペルの中に降り注ぐ光の中に溶けていきそう。

そして、彼が父と入れ替わり私の隣に立った時、パイプオルガンの音色も止み、荘厳な静けさが広がった。

 

「航…&…凛」


神父様は聖書の中からお祝いの詞葉を読み上げ、互いに永遠の愛を誓い合うかと問いかける。

それにイエスと共に答えた後で指輪を交わし、キスをする瞬間___



「凛に永遠のバケーションを…」


そう言って彼が唇を寄せた。
瞼を伏せながらそれを受け止め、微笑み合うと涙で視界が揺れていく。


私が彼に選ばれて、今日こうして式を挙げるまでの日々は短い。

だからこそ、これからが本当のロング・バケーションで、共に寄り添う日々こそが私達の大切な休暇。


「航さんも……休んでね」


声を掛け合って微笑む。

こうしてずっとお互いの存在を大切にしていこう。
今のこの瞬間を忘れずにいよう。