「いいなぁ。私も撮らせて〜」


そこに居合わせた友人達からも頼まれ、言われるままにポーズを決めていたのだけど__



「凛、おじいちゃんが到着したから挨拶に来て」


別室で控えていた母が顔を覗かせ、私は振り返ると、はい…と緊張しながら返事をした。

皆にまた後で…と断りを言い、祖父や両親、親戚の人達がいる親族室へと向かう。


実はこの二ヶ月間のあいだに、祖父はまた心臓の発作を起こして倒れた。幸いにも朝早い時間帯だったから父も母も家に居て助かったのだが。


だけど、このままではまたいつ同じ様な発作を起こすか知れないと医師に脅かされた祖父は、思いきってペースメーカーを埋め込む手術を受けた。


それが二週間ほど前の話で、一昨日の昼間にようやく病院を退院して家に帰った。
そして今朝は父が運転する車に乗り込み、やっと此処へ着いたのだ。


コンコン、と介添人がノックすると、中にいる母がドアを開けた。

その中に入ると親戚は皆、私のドレス姿に溜息を漏らし、綺麗ね…と声を揃えて言い合っている。