カッコウ、オオルリ、キビタキ……様々な鳥の囀りが聞こえる高原は、間もなく初夏を迎える。

そんな六月の第二日曜日は、私こと野々宮凛と城島航ドクターとが結婚式を挙げる日__。



「凛ちゃん似合うわ〜、そのドレス」


お尻の部分にだけフリルが付いたマーメイドプリーツスタイルのドレスを見て、職場で仲の良かった木場一咲が溜息をこぼす。


「痩せて見えるから少しくらいボリュームのあるドレスの方が映えるだろうと言われて決めたんだけど」


変じゃないかな…と不安を漏らせば、全然!と大きく首を横に振る。


「すっごくキレイだし素敵!私も早く着たいなぁ〜」


その前に痩せないとダメか…と呟く一咲は、秋には遠恋の彼氏と結婚するんだと言っていた。



「おめでとう、野々宮さん」


職場の上司だった国村主任も支度室へ会いに来てくれた。
一緒に是非ご出席を…と願った青木さんは、自分が行くと職場が困るだろうから…と遠慮したが。


「青木さんが『お幸せに』と言ってたよ」


悔しそうにね…と話す主任は面白そうに笑い、写メを送るから撮らせてねと願った。