「そうなんだよ。今夜は闇夜だから星がよく見えると思ってね」
小山内社長は奥さんの手を取りながら階段を下り、私はそのさり気ないエスコートに見惚れる。
夫妻は揃いのロングジャンパーを羽織っていて、花梨さんは仕事が終わった後らしく、髪の毛をほどいて全部後ろに流していた。
「折角会ったから星座でも教えようか」
持ち前のサービス精神で語りだす社長さんの声に耳を傾け、暫し夜空を魅入った。
星を鑑賞した後は、ホットワインでも飲みませんかと誘われ、バーの中へと入って行った。
「スイートルームは如何ですか?ゆっくり過ごせていますか?」
仕事は終わっている筈なのに居心地を気にする花梨さん。
私だったら仕事が終われば考えないことも、この人は常に考えているんだな…と感心した。
「とっても快適ですよ。温泉の温度も丁度良くて、ベッドのスプリングも弾み過ぎないで寝心地がいい」
如何にもそこ以外は使っていない彼の言い方に赤面して、思わず俯いてしまった。
「それよりも凛が奥さんに聞きたいことがあると言ってましたよ」
小山内社長は奥さんの手を取りながら階段を下り、私はそのさり気ないエスコートに見惚れる。
夫妻は揃いのロングジャンパーを羽織っていて、花梨さんは仕事が終わった後らしく、髪の毛をほどいて全部後ろに流していた。
「折角会ったから星座でも教えようか」
持ち前のサービス精神で語りだす社長さんの声に耳を傾け、暫し夜空を魅入った。
星を鑑賞した後は、ホットワインでも飲みませんかと誘われ、バーの中へと入って行った。
「スイートルームは如何ですか?ゆっくり過ごせていますか?」
仕事は終わっている筈なのに居心地を気にする花梨さん。
私だったら仕事が終われば考えないことも、この人は常に考えているんだな…と感心した。
「とっても快適ですよ。温泉の温度も丁度良くて、ベッドのスプリングも弾み過ぎないで寝心地がいい」
如何にもそこ以外は使っていない彼の言い方に赤面して、思わず俯いてしまった。
「それよりも凛が奥さんに聞きたいことがあると言ってましたよ」

