「奥さんはモデルみたいにスタイルが良くて、旦那様はホテル再建のスペシャリスト?世の中には凄い夫婦がいるのねぇ……」


溜息を漏らしているうちにエレベーターは最上階に着いていた。そこには部屋が二つしかなく、そのうちの一つを私達が使う。


ドアが開くと、足元には分厚いクッション材が敷かれ、まるで別世界へ誘うように通路が左右へと延びている。


その右側にあるドアへと向いて歩き出した。
彼と初めて泊まるスイートに、胸がドキドキと鳴りぱなしだった……。