食べ終えた後は感想を言う為にロビーへと戻ってきた時だ。


「城島様、本日宿泊されるお部屋のルームキーでございます」


そう言って、花梨さんが黒い光沢のあるカードを見せた。


「お部屋は最上階のスイートでございます。どうぞごゆっくりお寛ぎ下さいませ」


何も聞いてないから驚いてしまった。
何かの間違いなんじゃない？！と振り向くと、彼は笑顔でいて。


「お世話になります」


案内は要りませんと言うと、私の腕を取り歩き出す。


「え？あの、航さん！？」


スイートって何？いつ予約をしたの？と声をかけた。すると、彼は振り向き微笑むと……


「此処の特典の一つなんだよ。チャペルでの挙式を予約すると、スイートルームに一泊出来るんだ」


そういうサーヒスを特典として付け加えることで、このリゾートホテルの経営を立て直してきたんだ…と説明する。


「潤也さんが此処の社長になる前は、客足も少なくて空き室が多かったんだって」


グループの経営するホテルを再建する担当者にある小山内さんは、その道のスペシャリストだとドクターは褒めた。