ロング・バケーション

翌朝、私達は隣町にあるリゾートホテルのチャペルの中にいた。


ホテルに着いた時に私達を出迎えてくれたのは、高そうなスーツをビシッと着こなした社長の小山内潤也さんと、彼に負けないくらい背筋をシャキッと伸ばした綺麗な奥さんの花梨さん。


ドクターは笑顔で二人に挨拶をして、私はまるでハリウッド映画にでも出てきそうな雰囲気の夫妻を前にして、ただただ茫然と佇むだけ。


これまではドクターが一番のイケメンだと思っていたけれど、その上を行くような小山内社長さんに出会い、思わず目を奪われてしまい、しかも、その隣に立つ柔らかな笑みを浮かべる奥さんは美人過ぎて、芸能人かモデルなの!?と目を疑うくらいに背も高くてスタイルもいい。


(…あっ、それでマーメイドと呼ばれてたの!?)


何となくそうなのだろうと勝手に決め付けていた。


ホテルの中はどこもハイセンスで、窓からは高原の雄大な景色が楽しめる造りになっており、チャペルはその側に隣接されていて、先月リニューアルセレモニーがあったばかり。