結局、彼にどう思われても、私は今の状況を知らん顔なんてできない。

もしも、病院が大変なら手伝いたいと思うし、往診へも一緒に行ってみたい。

彼の故郷がどんな場所なのかも見てみたいし、そこを二人で歩いてみたい……。



(あんなに尻込みしてたのに……)


クスッと笑いが出てしまう。

馬鹿みたいに臆病になっていた私。
見知らぬ土地にいる彼の反応ばかりを気にして、大事な気持ちを見失うところだった。


私は両親の言うように、彼を好きになり、彼にももっと自分を好きになって欲しい。
祖母のように相手に寄り添い、共に時間を重ねていきたい……。



(だから、航さんが呆れても……)


会いに行こう。
置いてかれるなんて、絶対に嫌だから__。