翌朝、出勤してもドクターには会わなかった。
会ったら呉々も彼に宜しくと両親から言われていたし、祖父の意識も無事に戻りました…と報告しておこうかと思っていたのにどうしたのだろう。
(また職場で、と昨日は言ってたよね。あれはその場限りの社交辞令だったのかな…)
きっとそうだったのだろうと諦め、気落ちしながら仕事をしていた。
そこに内線電話が掛かり、デスクで仕事をしている国村主任が受話器を上げる。
「…はい、国村です。…ああ、お疲れ様です」
相手の名前を聞いたのか、返事をして耳を澄ます。
「…はい、ええ…えっ!?休暇を取った!?」
急に大きな声を発し、ビクッとして振り返った。
「どうして?って言うか、じゃあこっちの患者は誰が診るの!?」
前屈みになり、話し込みだす主任。その横顔が困っているように見え、何事だろうか…と窺った。
「…うん、分かった。こっちもそのつもりでいます」
話の決着がついたのか受話器を置く。そのまま、ふぅ…と重い息を吐き出し、椅子を回転させて向きを変えた。
「…ねえ、野々宮さん」
会ったら呉々も彼に宜しくと両親から言われていたし、祖父の意識も無事に戻りました…と報告しておこうかと思っていたのにどうしたのだろう。
(また職場で、と昨日は言ってたよね。あれはその場限りの社交辞令だったのかな…)
きっとそうだったのだろうと諦め、気落ちしながら仕事をしていた。
そこに内線電話が掛かり、デスクで仕事をしている国村主任が受話器を上げる。
「…はい、国村です。…ああ、お疲れ様です」
相手の名前を聞いたのか、返事をして耳を澄ます。
「…はい、ええ…えっ!?休暇を取った!?」
急に大きな声を発し、ビクッとして振り返った。
「どうして?って言うか、じゃあこっちの患者は誰が診るの!?」
前屈みになり、話し込みだす主任。その横顔が困っているように見え、何事だろうか…と窺った。
「…うん、分かった。こっちもそのつもりでいます」
話の決着がついたのか受話器を置く。そのまま、ふぅ…と重い息を吐き出し、椅子を回転させて向きを変えた。
「…ねえ、野々宮さん」

