搬送先のICDに運ばれた祖父は、何とか一命を取りとめた。
初期対応が早かったことと、体温が必要以上に下がらなかったお陰だ、と搬送先のドクターは褒めていた。


「あの場に先生が居合わせて下さって良かった」


心臓外科のドクターは、内科医である城島ドクターを褒め称える。
それに笑みを返した彼は、自分だけの力ではありません、と話した。


「彼女もホテルマンも頑張ったからです」


振り返って患者の孫だと教えると、心臓外科のドクターは私に近付いて話しかけた。


「お祖父様はまだ意識は回復されておりませんが、バイタルの方は安定していますので、どうかご安心なさって下さい」


そう言うと、また後でゆっくり説明します…と去って行く。その背中に深く一礼をして、頭を上げると大きく息を吐き出した。



「はぁ……」


吐くと同時に肩の力が抜ける。
その下がった肩に手を置かれ、ふと思い出して振り向いた。



「…良かったな」


イケメンな彼が自分と同じ様に安堵した声を出す。
その途端、あれこれと聞きたくなったのだが、先ずは__