ロング・バケーション

「どれだけ私の生き方に口を挟めば気が済むの！
私が看護師を決めた時も今も、おじいちゃんには関係のないことじゃない！」


自分の人生は自分が決めて生きたい。
そう思えてならなかった。


肩を怒らせて怒鳴る私を見て、倉元さんの父親が唖然としている。
それを横で確認した祖父は蒼ざめ、少し黙らないかと言いかけたが……


「黙るもんですか！これ以上私の生き方に口を挟まないで！」


「凛っ！」


祖父は立ち上がって私の名前を呼んだ。
その途端、急に蹲り、膝をついて苦しがった。


「野々宮さん！？」


椅子に腰掛けていた倉元さんの父親が床に足を落とし、大丈夫ですか？と様子を窺う。
祖父はそれに答えれず、息の詰まった様な声を出した。


私は最初、祖父の演技かと思った。
怒りを鎮めようとして、小芝居でも打っているのかと思ったのだが……。


ぎゅっと胸を掴んでいるのを見て、そうではないのだと知った。
何が起こったのかは分からないが、祖父の様子がおかしい。


「おじいちゃん！」


走り寄り、どうしたの！？と声をかける。
けれど、祖父の顔色は真っ青で、その色が次第に白っぽく変わるのを見て。