「冷たいな」
(先生の手は温かいですね…)
ふわっと包み込まれた手の甲から体温が伝わる。
声も発せずにそのままでいると、クスリ…と小さい笑い声がして__
「俺、野々宮さんの手ってもっと大きいのかとイメージしてたんだけど、案外小さくて意外だったよ」
やっぱり女子なんだね、とあまり嬉しくない褒め方をされる。軽くディスられている様な気がして、なんだそれ…と微妙な反応を示した。
それでもドクターはそんな私の顔色も気にせず、指先を擦って温めようとしてくれる。
それには流石に冷や汗を覚え、大丈夫ですから…と遠慮した。
「これくらいの冷たさはいつもですから」
離して下さいとハッキリ言えずにいると、ドクターの右手が離れ、ヒーターのスィッチをオンにした。
吹き出し口からマリン系の香りと共に生温い風が流れてきて、その風に指先を当てたドクターは、私の手から離れてシートベルトを締めだした。
「野々宮さんもベルトして。何か美味しいもの食べに行こう」
「えっ!?」
「お腹空いたろ。仕事お疲れ様」
(先生の手は温かいですね…)
ふわっと包み込まれた手の甲から体温が伝わる。
声も発せずにそのままでいると、クスリ…と小さい笑い声がして__
「俺、野々宮さんの手ってもっと大きいのかとイメージしてたんだけど、案外小さくて意外だったよ」
やっぱり女子なんだね、とあまり嬉しくない褒め方をされる。軽くディスられている様な気がして、なんだそれ…と微妙な反応を示した。
それでもドクターはそんな私の顔色も気にせず、指先を擦って温めようとしてくれる。
それには流石に冷や汗を覚え、大丈夫ですから…と遠慮した。
「これくらいの冷たさはいつもですから」
離して下さいとハッキリ言えずにいると、ドクターの右手が離れ、ヒーターのスィッチをオンにした。
吹き出し口からマリン系の香りと共に生温い風が流れてきて、その風に指先を当てたドクターは、私の手から離れてシートベルトを締めだした。
「野々宮さんもベルトして。何か美味しいもの食べに行こう」
「えっ!?」
「お腹空いたろ。仕事お疲れ様」

