ロング・バケーション

「航さん……」


今夜が二度目だとは思えないくらい、彼のことを受け入れている。
これまで何も経験せずに生きてきたことが嘘みたいに、私は彼の虜になっていた……。



熱っぽい情事が済んだ後、帰らなきゃ…と言うと引き留められた。


「凛、仕事休めよ」


逃がさないという感じで、後ろから羽交い締めのように押さえられる。


「…で、でもぉ〜〜」


早出勤務は急には変われない。
余程の用事か体調の不具合がない限り、別の人に変わってとは言いだし難い。


「休み欲しいと言ってただろ」


年末に話していたことを持ち出され、それはそうだけど…と認める。


「休めよ。休んで一晩中イチャイチャしよう」


チュッチュッと背中にスタンプの様なキスをされ続ける。
それがゆっくりと腰に向かって移動していくのを感じ、ゾクゾク…としたものが上がってきた。


「だ…だめ…」


拒否すると、まるでそれが合図の様に胸の方にも手が回る。
敏感に反応する場所を探りながら、ドクターはもう一度「休めよ」と言った。