「そういうつもりで部屋に招き入れた部分もあるし」
「せ…先生」
「その呼び方もそろそろ変えて欲しいんだけどな」
テーブルに手をつき、床に膝がつきそうな程上半身を低める彼の体勢に胸が弾む。
そのまま近付いてくる顔のアップに動けずにいると、彼の口角が上がった。
「そんなに警戒されたら何も出来ないよ」
そう呟くと立ち上がり逃げて行く。
コーヒーの入ったカップを持ってテーブルから離れ、カーテンを閉めていない窓の方へと向かった。
その背中を見遣りながら、私はこういう時どんな態度を取れば正解なんだろうか、と迷っていた。
彼のいる側へ行くべきなのか、それとも遠目に見ていればいいのだろうか。
分からない…と思いながらも椅子から立ち上がれないでいた。ドクターは窓の外を見たままで、時折コーヒーを飲み込んでいる。
そのうち、お互いの間にある距離が今の関係性の全てを物語っているように感じだして、私はそれを埋めたい様な衝動に駆られた。
椅子から立つとドクターが振り向き、帰る?と私に声をかけてきた。
「せ…先生」
「その呼び方もそろそろ変えて欲しいんだけどな」
テーブルに手をつき、床に膝がつきそうな程上半身を低める彼の体勢に胸が弾む。
そのまま近付いてくる顔のアップに動けずにいると、彼の口角が上がった。
「そんなに警戒されたら何も出来ないよ」
そう呟くと立ち上がり逃げて行く。
コーヒーの入ったカップを持ってテーブルから離れ、カーテンを閉めていない窓の方へと向かった。
その背中を見遣りながら、私はこういう時どんな態度を取れば正解なんだろうか、と迷っていた。
彼のいる側へ行くべきなのか、それとも遠目に見ていればいいのだろうか。
分からない…と思いながらも椅子から立ち上がれないでいた。ドクターは窓の外を見たままで、時折コーヒーを飲み込んでいる。
そのうち、お互いの間にある距離が今の関係性の全てを物語っているように感じだして、私はそれを埋めたい様な衝動に駆られた。
椅子から立つとドクターが振り向き、帰る?と私に声をかけてきた。

