神様、私と命と引き替えてください

「彩花、雑巾やって。」
「彩花、掃除よろしく。」
「彩花、ちょっと来い。」
「……。」
なんで、なんでこうなったの……。私は悪いことなんてしてないのに…。
「彩花、午後の居残り頑張ってね。」
「これは伊織のでしょ!?なんで私に……。」
「口答えすんな!」
あぁ……、また叩かれた。今日で何回目だろうか。
「もう嫌……なんで…。」
私は私以外一人もいない教室で泣きそうになった。
「……彩花ちゃん…。」
「……!」
先輩……?なんでここに…。
「……なんかあった?しばらく他の部活にも来てないし…。」
「先輩……。」
私は玲先輩の前で泣いた。恥ずかしいって気持ちでもなく、嫌だって気持ちでもなく。ただ自然に泣きながら虐めのことを話した。先輩は何も喋らず聞いてくれた。
「ううっ……。」
「そっか…だから、来れない日が多かったんだね。」
そう言って頭を撫でてくれた。でも、女子達が先輩のことを好きなのは言わないでおこう。言ったら余計虐められるから。
「今日は、俺も手伝うよ。」
「え、大丈夫ですよ?先輩は早く部活に行かないと…。」
そう言って私は返そうとする。だってそうでしょ?
「彩花ちゃんだけ残して、寂しいでしょ?」
という先輩の顔には、笑顔で溢れていた。
どうしてこんな私のこと心配してくれるんだろう…?なんでいつも笑っててくれるの…?
私の目には涙が出てきた。そして、一粒私の頬に落ちる。
「……っ」
私の顔は、もうぐちゃぐちゃになってるはずだ。なのに、先輩は優しくしてくれる。
それだけで嬉しかった。私は。