神様、私と命と引き替えてください

あの、それどういうこと……?
「ど、どういう……」
言おうとした瞬間、玲先輩は私の口を手で塞いだ。先輩の目は、いつもより細くて……

って。
「……!?」
ちょ、これ、どういう状況!?だって、今日初めて会った先輩に口を塞がれるとかどういう事なの!?意味わかんない!
「ははっ……」
そう言って先輩は笑ってる。いつもは爽やか系の人なのに、二人だけだと意地悪だな…。
「んーっ!?」
私は少し驚きながらも抵抗する。が、先輩の方が強かった。
「静かに、先生にバレる。」
「……。」
え、先生にバレないようにここに来たの?え、でもなんでそんなことしたのだろうか。
その後、ゆっくり口から手が離されて、やっと声が出た。
「……あの、先輩。」
私はたずねる。
「何?」
「なんでそこまでして私のところに来るんですか…。」
「……。」
え、なんで無言……!?そんなに秘密なの!?私の中では凄くあばれてる自分がいる。恥ずかしい…。
「い、今はね、部活見学でしょ?だから…来て欲しいなって思って来たんだ。」
あ、そういう事か。納得。
「お、明日でもいいですか?」
「うん!俺、迎えにいくから!」
私は微笑んだ。やっぱり優しいな。そのまま帰り、私は明日が楽しみになった。

次の日
「おはよう。」
いつもの挨拶は小声だ。みんな大きな声で話してるから気づきもしない。こっちの方が楽なのだから。
「ねぇ、彩花さん。」
「はい?」
そこに居たのは琴ちゃんと……クラスの女子ほとんど。
「昨日、病院って言ってたよね?」
私は頷いた。だって、本当のことだから。
「なんで教室にいたの?4時くらいまでさ。」
「え……。」
ど、どういうこと…!?疑われてるの!?なんで……。
「図星よね、だって、玲先輩と一緒だもんね?」
「!」
もしかして、みんな玲先輩のことを……!?
「違う、ただ、部活見学来れるか聞かれただけでありまして……。」
もう嫌だ。こんな事で言われるのが。本当。
「嘘つかないでよ!付き合ってるんでしょう!?私たちの気持ちも知らないで!」
その時、私の頬に琴ちゃんの手が炸裂した。
「……。」
私は目を見開くことしか出来なかった。付き合ってない、ただ……。
「これからは、彩花を虐めるから!」
「え……。」
私はみんなを見た。あの時と同じ、あの時と……。その時の琴ちゃんの声が凄く大きく聞こえた。