「そんなに知りたいの?」

「はい、お願いします!!」

90度ぴったりのお辞儀をする私を少し呆れた表情で見つめるのは、相変わらず透き通ったオーラをまとっている鈴葉さん。

「まあ、こんな風にお願いされるのも初めてではないんだけどね。」

その言い方に少しだけ棘を感じて私はゆっくりと顔を上げる。

「あなたでもう何十人目かしら。悪いけど…諦めて欲しいの。」

「っ…。」

何十人…

そうか。

まあ、やっぱりそうだよね。みんな光のことは気になってるんだもんね。

胸の奥がチクリと痛む。

岬に頼み込んで携帯番号を教えてもらって今に至るが、なかなか光の情報を聞き出すのは難しそうだ。

「そこをなんとか…!」

いつも光に助けてもらってばかりの私。

少しでも光のことを知って、分かち合ってあげたいという私の勝手な判断だ。

向こうからしたら余計なお世話なのだろうけど。

「だったら花蓮に聞いてくれるかしら。その方があなたにとっても良いと思うわ。」

鈴葉さんは眉根を下げて私を見つめている。

ああ…

やっぱりこの人は好きになれそうもない。