もうどうしたらいいのかわからなかった。 お母さん、どうしてわたしのことを見てくれないの。 わたしはこんなにもお母さんが大好きなのに。 わたしって、いらない子? 誰も知らない場所へ逃げたかった。 初めて信号無視をした。 生まれて初めて学校よりも遠い場所へ行った。 息が切れて転ぶまで、わたしは無我夢中で逃げていた。 気づけば見たこともない公園にいた。 ジャングルジムの横にあるトンネルに、這うように潜り込んだ。 長いことそこにいた。 ずっと、泣いていた。