向こうは何も言わない。 ただ、真っ黒な、息をのむほど美しい瞳がわたしを捉えていた。 その中に映るわたしはばかみたいに笑顔だ。 「じゃあ。」 そして今度こそ背を向けて歩き出す。 最悪なほどに毒舌だけど、朝の優しさに救われているから、ムカついたけど、一応ありがとう、ね。