Darkest White


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きっとこいつは男性恐怖症だ。


最初会った時から違和感は感じていた。


男が通るたびにビクビクして、岬が近づくたびに固まっていた。


バイクに乗せたときだって、しばらく固まってたし、俺の背後にいるときも緊張が伝わってきた。



そうわかっていた。

わかっていたのに…



ソファに座って少しうとうとしているあいつを見て、知らないうちに手が伸びていた。


こんなにも無防備で、ほんとあぶねえやつ。


仮にも男二人の家にたった一人でいるっていうのに、どうしてこんなにも…



あ、ほら。


T−シャツ、乱れてんじゃねーかよ。

岬に見られたらどーすんだよ、バカが。



あー。

だから天然ってうぜえんだよ。



でも俺も俺だ。


ただ匿ってやってるだけだから、近づく必要なんて全くねえのに…どうしてこう…自分から行ってしまうんだろうか?