雨がシトシト降る。私の名前は舞。
息子四歳と娘五歳がいる25歳の
シングルマザー。平凡な毎日を過ごして
幸せを噛み締めながら子育てしてる
ごく一般的な母親だ。

あなたを見て…あ、出会ってしまったとそう
思った。それが第一印象だった。
そのあなたがこれから私、舞の人生に
少しでも重なることすら予想もしなかった。



私を一番苦しめた人…。
名前は祐【ゆう】24歳でまだ若い。
沢山の人々を助ける消防士。
この人はいつも笑って悩みなんかない
そんな人。みんなを楽しませて
誰からも好かれる人


蝉が鳴くある夏の日
梅雨明けしてうちわで扇ぎながら
スマートフォンが鳴った。

〜♪
ねぇ舞!九月に音楽フェスがあるんだけど
行かない?

私の一番の親友、ユリからだ。
ユリは私を一番よく知っていて私の
性格をよく知っている子だ。
男関係は…純粋とは言えないが私は
いつも見守っているような存在だった。

片手にアイスを持ちながら文章をうつ。
「OK!」といつもの短文。
普段から短文なのでいつもユリに
「あんたいつもそんな短文だと嫌われるよ〜笑」
と冗談を言ってくる。
私も「ははっ!」と笑い流す。
そんな関係なのは付き合いが長いからである

また携帯が鳴った。

〜♪
「サヤも誘わない?」
ユリからだ。
「いいよ〜日にちいつなの?」
と私も返信をしてる間に右手に持っていた
アイスを急いで食べた。

サヤとは私、舞の幼なじみ。
おっとりしていて優しい子。
女の子っていう感じで私とは正反対。
私はどちらかというとサバサバしていて
冷静さを保っているような人間なのだ。

サヤとユリと舞は同じ中学校でいつも
一緒にいた。毎日一緒に下校して
たわいない会話を帰りに毎日寄る公園で
語っていた。

〜♪
「9/16だから予定空けといてね」
ユリから日にちが送られてきた。
「サヤには私から連絡しとくね!」
とユリに返信をした。
「サヤー!9/16ユリとフェス行くんだけどサヤも一緒に行こうよ!」
と私はすぐサヤに連絡をした。

たまたまスマートフォンをいじっていたのか
返信は早かった。

〜♪
「仕事その日休みだしいいよ〜!楽しみだね!はやくみんなに会いたい!」
可愛らしいサヤからの返信だ。

「じゃあまた予定近くなったら連絡取り合おう!」
と返信をしてスマートフォンを閉じた。


9月16日の前夜。
何着ていこうとクローゼットを眺めていた。
昼間は少し肌寒いが
夜は冷え込むので服選びは地味に難しい。
散々迷ったがなんとか決まった。

タイツにレザーの黒のスカート。
トップスはショート丈の黒のタンクトップ。
デニムジャケットを合わせ7センチくらいの
黒のショートブーツを合わせてた。
普段子供達と出掛ける時には絶対に着ない
スタイルだ。たまにはいいか!と
思いっきりオシャレをした。


当日。
早めに駅に着いてしまった。