青い空

優しい風

なりやまない鳥のさえずり

なりやみそうなチャイム

天童檸檬、高校一年、初めての学校

初めての遅刻……


なぜ、今日に限ってこんなにもぽなぽかして気持ちがいいのか。

なぜ、3度寝してしまったのか。

なぜ、家族の誰もが起こしてくれなかったのか。


もはや、そんなことはどうでもいいのです。

今はこの緊急事態をなんとかしないと。


「おはよう、君、1年生?」

え、誰?

「は、はい…」

「よかったー!遅刻したの俺だけじゃなかった!」

あれ、この声どっかで…

「あ、あのう」

「あ、俺三浦健人。一年。よろしく」

気のせいか。

「えと、よろしくおねがいします」

でも、なんか懐かしい感じ

「てか、やべーよ。初日から遅刻とか。」

そうだった。それより今は…

「おい、走るぞ。手、出せ。」

えっ、えー!!!




「よかったー!間に合った」

「あの、手を…」

「あ、わりー」


[今思えば、この時が一番輝いてたのかも知れません。

ただ、ただ未来にきぼうをもっていたのですから。]