「飛鳥は、顔描きたいからそこ座って!」



ぼーっと突っ立ってた飛鳥に、なるべく不自然じゃないように話しかけて座らせた。



無造作に付けられた絵の具は乾きつつある。



このままじゃさすがに変だから、水を含んだ筆で伸ばしていく。



時間勝負だ。



腕まくりをして勢いよくキャンバスに筆を擦り付けていく。



それから無心で私の絵に向かい続けた。



色が私を呼んでいる。



もっと美しくしてくれと。



だから誠心誠意で応える、それが私のやり方だ。