「私、部活行ってくるねっ!」



「はいはい、ったく、なんで部活にそんな楽しそうに行くんだか」



「へへ」



蒼に送り出されて教室を出た。



駆け足で屋上に向かう。



この一週間、あの絵にのめり込んでいた。



下書きを書き、ひたすら修正を繰り返し、やっと納得いく形に出来上がった。



あとは飛鳥の顔を描き込みたいから、美術室に来てほしいんだよね。



来てくれるかなあ、



そんなことを考えていると、あっという間に屋上にたどり着き、恐る恐るドアを開けた。



「いたっっ!!!」



思わず声高々に叫んでしまった。



ゆっくりと振り返ったその顔は何も変わっていなかった。



「飛鳥久しぶり!」



近づいて、その顔を覗き込むと、飛鳥は笑った。



でもその笑顔はどこか引きつっているような風に見えた。