(完)最後の君に、輝く色を

机の中から、本を取り出そうとした時だった。


机の上にのせていたスケッチブックに手が当たって床に落ちてしまった。



落ちた拍子に、中が開いてしまった。



慌てて取ろうとして、手を伸ばしたらそれは違う手によって拾われ私の机の上に戻された。



「上手いじゃないか」



「せ、先生!?なんでここに」



拾ってくれたのは平田先生だった。



「お前らの見張り」



「あー、なるほど」



このクラスは騒がしい人が多いから、ほったらかしにしてたら何やらかすかわからないもんな。



納得して、頷く。



「それ、いいじゃん。好きな奴か?超かっこいいな」



先生が無邪気に笑いながら、私の絵を指差した。



何を言っているんだ。



それに目を向けると、そこには飛鳥の顔がいっぱいに広がっていた。