美術室の鍵を持って、立ち上がる。



一応部長の私には消灯と戸締りという役割が任されている。


早く帰るためには、とりあえず美術室から出て欲しい。



それからお話しする分は別にどうだっていいんだけどさ。



私の想い理解してくれないだろうか。いや、してくれても素直に従ってくれやしないだろうな。



こうなったらあの子達は帰るまでが長くて長くて待ちくたびれてしまう。



それはもう既に何回も経験済みだ。



「お疲れ様でーす」



後輩たちは私を哀れそうに見ながらぞろぞろと連なって出て行く。



「お疲れ様」



そう答える私は恨めしそうな顔してるんだろうな。



とりあえず、電気を消してみようかな。



そう思って電気のスイッチのそばに歩いて行くと、先生から声をかけられた。