身の危険性を感じ、慌てて制服のポケットから鍵を取り出して先生に渡した。



集中が途切れて、自分が今まで鉛筆を走らせていたそれを見るとまた、なんの変哲も無い平凡な絵。



またため息をつきそうになって慌てて飲み込む。



ため息ばっかり吐いてたら不幸がやって来そうだもん。



これ以上の不幸は考えたく無い。



時間を確認したらもう下校の時間の15分前。



帰る準備をしないと。
広げていた画材やスケッチブックたちをカバンに戻して席を立った。



いつのまにか、先生は平田ガールズに囲まれている。



わいわい騒いで楽しそうなもんだ。



私だけとか言いながら結局みんなにいい顔するんじゃん。



舞い上がってた自分が馬鹿みたい。




無性にイライラしながら、軽く掃除をしてバックを肩にかけた。