「雪哉?」


陽夜先輩も兄貴も俺の答えを待ってる。


「えっと…その…弥生が寝ている間に…」


「起きてたよ…?」


え…?


ドアの向こうから声が聞こえた。


この声は…


ガチャ━


弥生…


「弥生…!」

「弥生ちゃん…!」


2人が弥生の存在に反応するなか、俺は何も言えずにいた。


弥生の言葉が頭から離れなくて…。


起きて…た…?


寝てただろ…?


「雪哉…あたし、昨日起きてた。必死に寝たフリしてたの。」


そんな…。


俺は開いた口が塞がらなかった。


「雪哉、弥生。2人だけで話したほうがいいよ。雪哉の部屋で話しておいで?」


兄貴は優しく言った。


そう…だよな。


「弥生…俺の部屋来て。」


俺は弥生の返事を聞かずに、兄貴の部屋の向かいにある俺の部屋に行った。