「本当はさ…夕方に行こうとしたんだ。夜じゃなくて。

夕方に弥生の友達から、弥生が熱出したってメールが来て…俺はすぐに家を出た。

出た瞬間に見たんだ。

弥生が知らない男におんぶされて弥生の家に入って行くのを。

今までずっと弥生は幼なじみで…何を見ても、何があっても、俺には関係ないだろうなって思ってた。

でもなんでだろうな…目の前の光景にイライラしたんだよ。

だから…家に帰った。」


黙って聞いてくれていた兄貴が口を開いた。


「そっか…。雪哉…お前は俺ほどバカじゃないよな?」


え…?


「雪哉がイライラした理由、なんでかわかってるだろ?」


理由…か…


「うん…わかってる。だから…あんなことしちゃったんだよな…。」


「あんなこと…?」


陽夜先輩が首をかしげる。


あっ…口に出しちゃった…。


言うつもりなかったのに…。