一瞬でその素敵な楽器に惹かれた。正確には先輩のその音に惹かれたのかもしれない。

「なぁ、ホルン入る?」
この一言からすべてははじまった。本入部の日にはじめてホルンを吹いたこともあり音は少ししか出なかった。でも先輩は
「絶対いつか吹けるようになる!ホルン入らん?」
私は思わずうなずいた。

はれてホルンに決定。
「何て呼んだらいい?」
「え、なんでもいいですけど…」
「名字はそっけないやんなー、じゃあ、リサちゃん!」
「はい!慎太郎先輩!」
「おう!」

「先輩~?」
ドアのところに一人の女子。
「あ、新しい子ですか!」
「そそ、平山、お前より可愛いぞ」
「確かに…ってうるさいです」

「あの…?」
「あーごめん、こいつもホルンパートの一人、平山な」
「平山夢菜です!ってリサちゃん!?」
「え…?知り合い…ですか?」
「昔ダンス一緒やったやん!まだやってるん?」
「やってます…って夢ちゃん!」
「そうそう!」

「え、二人知り合いなん!」
「そうですよー!ダンス一緒だったんです。ねーリサちゃん!」
「はい!」

こんな風に出会った。この時から本当は好きだったんだろう