痛みに、顔をしかめたら、彼の顔が近づいて来る。
優しくされたキスに、しがみつくようにその感覚だけを感じようとした。
その間も痛い気がしたけど、さっきまでとは違って、今なら耐えられる気がした。

 「全部入った。」呟くように言われた時、何だかホッとして、泣きたくなった。
長かった、はぁー、やっと終わる。
何だか、訳の分からない達成感に満ち溢れていた。

 彼の方を見ると、優しい顔していて、良く頑張ったな、という感じに頭を撫でてくれた。
それが心地良くて、暫く浸っていると、「動いてもいい?そろそろ、限界。」と言われた。
 
 ドエスだこいつ!!

 こんなに激しいって聞いてない!
動いてもいい?という問いかけに、答える間も与えず、いきなり動き出した。
そして、痛いと言っても、止まってはくれない。
気付けば、痛みは、感じなくなっていた。

 うー、動けない。
確か、風邪引いてたよね、彼は。
何であんなに体力があるんだ。

 いつの間にか腰の下に敷かれたバスタオルに気づき、やっと上体を起こした。
彼は、さっさとシャワーを浴びに行ったみたいだった。
のろのろと下着を身に付ける。

 パジャマを着終わった頃、シャワーを浴びてきたあっくんが戻ってきた。
「咲希も浴びてくる?」と聞かれたが、もう眠いので、断った。
 ふたりで寄り添って眠る。
いつもより、ずっと早く眠りに落ちた。