「苦しい~!」首に廻された腕を叩いて、抗議した。
「あ、わりぃ。珍しく咲希が可愛いこというから。」
「珍しくって・・・」
ちょっと、ふてくされた。
でも、さっきの何が可愛かったんだろ?

 「今日可愛くても、何も出来ねーんだよなぁ。」と、溜め息混じりに吐き出された。
やっぱり、やる気だったんだ、この人!
そして、何も出来ないとか言いながら、どこ触ってんだ。
「してるじゃないですかー、ちょおっとお、胸揉まないでよー。」
「それくらい、いいだろー。てか、なんで寝るときまでブラジャーつけてんだ?」
「これは、ナイト用です。女は色々大変なんです!」
「そっか、これは脱がしずらそうだから、次に俺と寝るときは着けるな。」
「えー、次って・・・」
「そうだな~、年末かな~、まぁいいや、お休み。」

 ええええ、よくなーーい。
声をあげようとしたが、彼は、私の首の下に置いていた腕を戻し、私に背を向けて寝る姿勢だ。
 付き合ってすぐ、そういうことになるもんなの?
あれ?前はどうだったっけ?
ああ、そうだ三回目のデートで、そうなったんだ。
 まぁ、前の時は焦ってたしなぁ。
早く、処女じゃなくなりたかったんだよなぁ。
結局、いざやってみたら、痛くて痛くて、途中で止めてもらったんだ。
あれ?
て、ことは、私ってまだ処女なの?
うーーー、とりあえず、寝よう。