「いや、付き合ってるわけじゃないから、そんな事言う権利ないし・・」
「あるわよ、十分思わせぶりな態度とってるんだから、文句言うくらい許されるわよ。」

 「そうかな~?文句って何言えばいいの?」
「他に女がいるのに、私に手を出すな!って言えばいいのよ。・・・というか、何であんたは怒ってないの?」

 「へっ?」
そう言われると、何でだろう?

「普通はね、そんな事されたら、怒るもんよ。女として、軽くみられてるって事なんだから。」
「何て言うか、ショックだったんだよね。こう、ズキってきたっていうか・・・」
自分の胸を押さえながら言う。
何だか、本当に胸が痛い気がしてきた。

 「好きなのね~、その人のこと。」

「えっ?」

「だって、そうでしょ?好きじゃ無かったら、ああ、ムカつく!二股しようとしてるなんて最低!でおしまいよ。でも、それよりもショックだったって言うんなら、それは、その人が好きだからよ。だから、ショックなの。私のことはもう、好きじゃないんだって、そう思ったからズキって胸が痛くなるんでしょ。」

「えっ?じゃぁ、私、課長の事が好きなの?」

「そうなんじゃないの?取り敢えず、その女の事聞いてみたら?まだ、9時だし。」

「うーん、ラインしてみる。」
そう言って、自分の部屋に戻った。