「ねえねえ、あの二人ってさ」
「うん、そうだよ!前見たもん」
なに?
廊下からセーラー服のタイの色の違う先輩たちが、本郷くんと一城さんをみて何か話していた。
それに聞き耳をたてる。
「ピアノの大会で世界に行った人たちだよ。
日本代表なの。間違えないよ、ニュースで見たもん」
「すごーい!何か才能があるのってすごいなぁ」
「って言ってぇ、本郷くん狙う気なんでしょう」
「いや、無理無理。一城さんもいるし、あんな顔が可愛かったら、高嶺の華なんじゃないの?」
「ま、入学式から騒がれてたもんね」
驚くことが何個かあって、入学式から騒がれてたの?高嶺の華なの?
何より、世界?
世界なんて私には大きすぎて想像もつかない。
こんな、普通の学校に日本の代表みたいな人がいるんだ。
一城さんも、本郷くんもすごい…!
趣味があっていいな、なんて私が思ってたレベルなんかとは違いすぎる。
そこから見えるものは、あの人たちが見ているものは、どんな景色なのかな__。
うらやましいな。
