「またね、長野さん。また話そうね」
「うん、またね!」
休み時間ちょっとだけ話して終わっちゃったけど、一城さんたちと話すのは楽しかった。
一城さんは皆の中心にいるわりに、おっとりしてて掴みにくい性格をしていた。
「雅帰ろ。…あ?友達?」
「そう。長野さん」
そう言って、一城さんに声をかけた本郷くん。
そうだよね、覚えてないよね…。一回の自己紹介くらいじゃ。
「ふぅん。ばいばい、長野さん」
「あ、ばいばい」
でも、本郷くんは人懐っこい笑顔で、私に手を振った。
それは私の顔を赤くさせた。
「早くしろよ、雅。今日はピアノ練習すんだろ?」
「えぇ、待ってよ。どっか寄ってく?」
「だーめ。今日こそ練習!」
一城さんは、本郷くんと仲良くできていいなぁ。
二人の会話を私は遠くから黙って聞いていた。
