次の日の朝。
「おはよう、一城さん、本郷くん」
「あ、おはよ～」
「長野さん、おはよう」
昨日の演奏を考えられないほど、一城さんは眠そうに目を半分瞑り、その一城さんを本郷くんが引きずり起こしてきたという感じである。
「昨日のすごかったね！」
「あはは、ありがとう」
私が興奮して話すが、一城さんはいつも通り…よりも低いテンションで返される。
「雅、今日も練習ね」
「はぁい。宿題見してー」
「無理。俺もやってねぇ」
こういうところは高校生らしいなぁと思う。
「私ので良ければ見せるよ」
「やったぁ～」
「あ、俺も！長野さん俺も見して」
「うん」
昨日ので、少しだけ本郷くんとの距離も近くなったかな。
なってるといいな。
