満月 それは月を司るヴィアヴァン王国にとって聖なる日でもあった。 そんな日に王国から民衆に伝令があった。 「つい先刻、我が国の女王であるラン様から姫君がお生まれになられました」 満月の日の姫君。 民衆達は大いに喜んだ。 この敗退しつつある王国を救ってくれる姫なのではないかと。