「あの…まだ歩くんですか?」

歩きだしてからもう数十分経っていた。

いい加減疲れた。

「まあまあ、もう少しだから待って。」

「…あとタメ口でいいから。」

タメ口でいいのか…。

「わかった。」

…なんかいきなり親近感を感じるな…。

「ついたよ。」

上を見上げた。

私はその光景に息をするのさえ忘れそうになった。

「すごい…」

そこには大きなツリーのイルミネーションが色とりどりに飾られてあり、とても綺麗だった。

「でしょ?ここ、好きなんだ」

なんか…目がぼやけてくる…。

「ん!?あれ?泣いてるの?」

瑠依の言葉で初めて自分が泣いていることに気づいた。

「…なんでだろ?気づかなかった」

イルミネーションが綺麗すぎて、感動したんだな。きっと。

ふと瑠依を見上げた。

やっぱり、きれいな顔してるな。

でも…どこか悲しそうな顔をしてる気がする…。

気のせいかな?

その時からだろう。私が瑠依を『愛しい』と思い始めたのは…。