『次はレイゼルVSピーターだな』
「よぉし、次は始めっから全力だ」
『楽しみネ……』
『スタート!』
「倶利伽羅ッ!」
『いきなりかネ』
「羅刹。」
ピーターが勢い良く剣を左から右に薙ぎ払う。
『タネは分かってるネ』
容易く避ける。
「刹那。」
その瞬間、レイゼルの左手が切り落とされた。
『えっ……』
「奈落。」
剣を床に突き立てた。
そして青白い何かが剣から床へ、床からレイゼルの足下まで伸びていった。
『何か分からないけどとりあえず避けるネ……』
レイゼルが素早く後退した――。

がしかし、それに合わせて青白い何かが伸びていく。

『不気味ネ……』
「落堕。」
『――ッ!?』
青白い何かが一瞬でレイゼルの足下まで伸び、それが床から突き出てレイゼルの腹を貫く。
『グフッなるほど、全てお前の策略かネ……』
「堕天。」
レイゼルの腹を貫いたそれがレイゼルを締め付ける。
『私の負けネ……』
『勝負あり! 勝者ピーター!』
「解。」
ピーターが倶利伽羅を解いた。
『まさか何も出来ないなんて思わなかったネ』
「大丈夫か? 腹に穴空いてるぞ?」
『大丈夫ネ、すぐ治るから』
すると、レイゼルの腹に空いた穴が塞がり、左手が生えて元通りになった。
「ヤバいな、不死身かよ」
『レイゼルの強さはその圧倒的な生命力と再生速度だ』
「つまり、ゾンビ戦法がとれるわけだ」
『そう、だからコイツはここにいる』
「で、ソイツはなんでここにいるんだ?」
『ギルセルクはこの国の王子だ』
「マジでなんで居るんだよ……w」
『俺は絶賛逃亡中だぜ』
「マジふざけんなw」