「アンタ普通の町人じゃないだろ……!」
『何故そう思う?』
ピーターとドラクはお互いに剣を弾きながら距離をとった。
「元兵士の人間と互角……いや、それ以上に渡り合えるその実力が何よりの証拠だ」
『……残念だが、俺はただの町人だ』
「薄っぺらな嘘はやめろ!」
ピーターはそう言うと、剣を腹から胸の位置に真っ直ぐ空へ向けた。
『何だ?』
「ベル王国軍式 【勝利への宣言】……!」
続けてピーターが叫ぶ。
「今ここに戦いの神、アテナとアレスへ勝利を宣言する……! 【ドラク・グレヴァーン】、我が勝ったら貴様が何故強いか教えろ!」
『なるほど、神に誓うか……恐れ知らずな男よ……良いだろう! その勝負受けて立つ……!』
「行くぜ……ウオアァァァッッ!!」
ピーターは今まで聞いた事のない叫びと同時にドラクヘ猛突進した。
「ベル王国軍式 ピーター流 天地両断ッ!! くらえぃ!!」
そのすぐ後に、ピーターは剣を空へ突き出しその勢いと自分の脚力で地面から約2m、空中へ浮いた。
『空中なら攻撃を避けれまい!』
ドラクは剣をピーターの左横腹へ向けて勢いよく薙ぎ払った――。

パキィン……!