『ところで、君のあの剣は一体どこで?』
「!!」
ピーターは動揺した。想定はしていた、だが自分達の国を潰した国の住人に聞かれると、どうも言い難い。
「い、いやぁ……コレは……その……」
『まさか盗品だったりして?』
「そう言うワケじゃないんだけど……」
『……なるほど、なにか言い難い事情があるようだね』
「そういう事にしといてくれ……」
『分かったよ、人には生まれつき誰にも言えない事情を抱えてる、君もその一人だね。私にも……いや、それはいいか……とりあえず、また会おう』
「ああ、縁があったらな」

あっぶねぇ……コレだから人付き合いは嫌いなんだよ……

「はぁ……」
ピーターはため息をつき、いつもいる道の片隅に座り込んだ。
「本当に……なんて疲れる日なんだ……」

翌朝……空は曇っていた、しかしただの曇り空じゃなかった。
「!?」
空を見た瞬間、誰もが確信した。
「雲が……赤い……?」