打ち込まれた四箇所の打撃は常人なら即死レベルであった。
それをノーガードで受けた一人の軍兵は今、そこに血まみれで倒れている。
その場にいる誰もが彼の圧倒的実力に恐怖した。

勝てない。と、

「ゴホッ……ヴ……ガハァ……」

!?

『確かに本気でぶち込んだハズなんだが……なんで生きてんだよw』
「テメェが……ゴホッゴホ……弱いからじゃあ……ねぇの……かよ……」
『そんな訳があるかよw周りだって穴ぼこだらけだ、お前……何しやがった?』
「うるせぇ……とりあえず結果オーライだ……うぐっ……内蔵逝ったかもな……ヘヘッ」
『ピーター!』
ピーターの名前を叫びながら、カムイが走ってくる。
『しっかりしろよ、ピーター!』
「悪いな……俺……多分死ぬわ……」
『まだだ……まだ終わらせない! お前はこんな所で終わらねぇだろ!』
ピーターはゆっくりと目を閉じ、カムイへ倒れ込んだ。
『嘘だろ……いや、まだ生きてる……まだ助かる! マダガスk……』
「いいや、ソイツはもう終わりだ」
『おのれ貴様ぁ! よくも、ピーターをぉぉぉぉぉ!!』

――戦いは終わり、幸運にも生きていたピーターは目を覚ました。