「かなちゃん…?」


ポカンとした顔で首を傾げる瑠樺ちゃん。


「もう、学校ではこういうことは
やめろって言っただろ、瑠樺。」


「いいじゃん!ってあ、この子、
かなちゃんの友達?」


綺麗な黒、少し潤んだ瞳が
私を写し、佐倉くんにそう尋ねた。


「あー、この子は小森遥花さん。
同じ班なんだよ。」


「そうなんだ!仲良くしようね、遥花ちゃん」


いつもと変わらないみんなより
ワントーン高い声。


いつもと変わらない
お人形さんみたいに完璧な容姿。


けれど、その目は笑っていなかった。