ぐうぅ~きゅるきゅるきゅるっ

派手に鳴り響いたお腹の音に当の本人である私まで驚いていた。

前に立っていた20代くらいの女性が、クスッと笑って私を見た気がした。そのとなりにいたリーマン風の若い男性の視線も感じる。


もう、だめだ。

恥ずかしくて死にそう。


そう思って体を小さくしていた時に
「あー腹へったなぁ~」
と、隣のイケメンくんが大きな声で言ってお腹をさすり始めた。

停車していた電車のドアが閉まり、電車が走り始める。
周りの好奇な視線は、私ではなく隣のイケメンくんに注がれた。

どうして?
私をかばってくれたの?この人。

なりっぱなしのお腹の音は、電車の走行音でかなり目立たなくなっていった。